語り継がれていく物語のようには、僕の存在は誰かの記憶に残りはしない…
歌い継がれていく名曲のようには、僕の歌は誰かの声で歌われはしない…
君だって、そうだろう?
時間…いろんな時間…そう、時間は河
河はやがて下流で交わって…その先、忘却の彼方…
やがては忘れられゆく時間の中
河は時に優しく、時に残酷に流れゆくけれど、
この橋の上、帰る頃には、そんなもんかと思うのか…
アイツだって、そうだろう?
やがては忘れられゆく時間の中
そんな時間は忘れられゆくためだけにあるのだから
今を一生懸命に生きろとは、戯言ぬかすな…
通りはにぎわい…今日は祭り…
きっと祭りは楽しく、終わる頃には少し淋しい…
そう、今日は祭りの日…
祭りの日に、なんてことだ…
忘れ去られ人たちの盛大な祭り
遠くの方から、祭り囃子が聞こえる
君もアイツも僕も、あの人もこの人も…
さぁ、祭りだ…祭りだ…
祭りの群衆にまぎれながら…あぁ…あぁ…
もはや、祭り囃子は行ってしまった…
一瞬の夢
来年の夏まで、しばしのさようなら…
灯りはもう消えてしまい…
帰る背中たち
その中で、誰よりも僕の背中だけが、よけいに淋しげ…
やっぱり、そんなもんかと思うのか…