こうしていることに何の意味もないけれど、ひどく寒い夜だから、君の背中でもいい…温まりたい
今夜も長い線路を貨物列車が走る…たくさんの乗客たちを乗せて…
あの人たちは、どこへ行くの…
さぁ、知らないよ…
風が吹いて、ヒラヒラ、誰かの手から離れた切符が君の肩へ
二人を隔てるものを何もかも取り除くには、あまりにも旅は長すぎて、
たどり着く前に終わってしまいそう
闇夜の中で、引っ付き離れてをくり返し、
どうして誰も分かってくれないのかと、ぶつけ合う
僕と君にながれている血は汚れた血
見つかれば、明日はない命… それでも、瞬く夜空に星はきれいすぎて、明日ばかりを夢みてしまう
僕は思うことがある…どうして、人は自分に正直に生きれないのだろう…と
悲しいけれど、それが人の世
口に出して言ってしまうには、今夜のふたりはあまりにもたよりなさすぎて…
この長い線路の向こうには、僕らを拐う背の高い門番が大きな口をあけて建っている
僕らはそこに行ってはいけない
僕らはそこに行くことはできない
どれだけ愛や恋が世界中にあふれていたとしても、今の僕らには僕らの唄は歌えない…
ならば、いつか僕らは歌うたいになって愛を、恋を伝え歩こう
その頃には今よりずっと平和な世の中が…
草木は踊り、風は優しく舞う
日差しは降り注ぎ、街の真ん中で僕は君を力いっぱい抱きしめる
それがこの世に産まれ落ちた意味だと…
この長い線路の向こうには、僕らを拐う背の高い門番が大きな口をあけて建っている
僕らはそこに行ってはいけない
どれだけ容赦ない迫害を受けても、
僕らはそこに行ってはいけない
列車に乗ってはいけない