紳士は夜の通りを歩く…口笛ふきながら
雨に踊れば、ステップははずむ
待ちあわせにおくれないように
誰かに見られちゃいけないよ
世間は広いようで、とても狭い
壁にもたれて、紳士を待つ労働者の男
ポケットから、シガレット
鉄くずの匂い
それは、たしなみ…
ちょっとした、たしなみ…
度をこえるかもしれない、たしなみ…
雨があがった月の影を
歩くふたりは不釣り合い
軽く談笑すれば、他人から見れば、ふたりはただの友達だから…
たとえ、それが紳士を悩ませても…
古びた洋館
知らぬ誰かの昨夜の証拠を片付けて
急ぎ足で部屋を出ていく清掃人
屋根より高いその場所を
ぐるぐる回って落とされて
耳をすませば、壁の向こうに…誰かのトランスフォーム
勝利に敗れたベッドには
無論、捨てるようにばらまかれるポンド札…
たとえ、それが紳士を悩ませても…
紳士はトランスフォーマーだから
一晩だけのトランスフォーマーだから