『帰ってきたヨッパライ』は、ザ・フォーク・クルセダーズの1967年のデビューシングルで、加藤和彦が作曲を担当しました。この曲は、わずか50枚の初回プレスからスタートし、最終的にオリコンで131万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。
その成功の背景には、ラジオ関西での放送による反響や、アングラ・フォークブームの先駆けとなったことが挙げられます。また、歌詞は松山猛と北山修によって書かれ、加藤和彦の作曲とザ・フォーク・クルセダーズの編曲により、独特の世界観が生まれました。
歌詞は、東北弁を話す主人公が飲酒運転で事故を起こし、天国での酒と美女に浮かれる生活を描いています。その後、関西弁の神様からの説教を受けて天国を追放され、生き返るというストーリーです。このナンセンスな内容と、早回しのテープによる甲高い声が特徴的です。
また、メロディは民謡「草津節」をもじり、間奏ではビートルズの「グッド・デイ・サンシャイン」や「A Hard Day’s Night」、ベートーヴェンの「エリーゼのために」などのパロディが盛り込まれています。これらの要素が、当時の若者たちの心をつかみました。
加藤和彦は、この曲がアメリカのカントリーソング「夢に見たヒルビリー天国」を下敷きにしていると語っています。その後、この曲は映画『帰って来たヨッパライ』(1968年)として映画化され、ザ・フォーク・クルセダーズの3人が主演しました。映画では、民族問題をテーマにしたコメディ作品となっています。
このように、『帰ってきたヨッパライ』は、音楽、歌詞、映像など多方面での創意工夫が重なり、時代を超えて愛される名曲となりました。

加藤和彦が生み出した『帰ってきたヨッパライ』、なぜたった50枚から280万枚売れたのか? 「自転車で15分」の出会いから生まれたナンセンス曲の真実 | 集英社オンライン | ニュースを本気で噛み砕け
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