あんなに伝えたいことがあったのに
あんなに伝えたいことがあったのに
言葉は今日に追いこされ、夜を過ぎたら
明日はもう、どうなっているのか…
ゴミ箱いっぱいになった、がらくたの言葉はしょうもない…
それでも、拾い出して一遍の詩を紡いでみるけれど、それさえ明日はもう、どうなっているのか…
書けば書くほどに風が吹いてきてページがめくれ過ぎていく…
ペン先のインクを白に押し当てて絞り出すけれど、言葉がもう続かない…
真っ白、真っ白、真っ白が続くだけ…
書くのをやめて君に伝えたいけれど、明日の朝そこに君がいるか
君に伝えたいけれど、明日の朝そこに言葉があるか
もはや緊急事態…
緊急事態なんだ…
ドアを開けて、靴もはかずに息を切らして
思い出せ!遠い日の徒競走
早く走れ、僕…
もっと動け、さもなければ僕の足
もつれてもつれて、からんでからんで
土ぼこりをあげた…
転んでしまった…
終わってしまった…
終わってしまった…僕の徒競走…
ポケットの中から道に散らばった…全部、全部見事に散らばってしまったよ…
見上げれば、この夜の空
あぁ、なんて綺麗な星の空
空がこんなにも美しく澄んでいたなんて今の今まで、僕、知るよしもなかった…
限りあるこの夜の空を隙間なく、僕の言葉で埋め尽くしたい…
やがてくる明日の朝焼けの空を隙間なく、君への言葉で埋め尽くしたい…
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