これから行く空は、君だけの空
さっと手をふり、背中で別れて
これは君の生き方にふさわしい
だから僕は何も言わない…
あきらめの午後、昼下がりは、あたりを翼の匂いがした
君の翼?
僕の翼…
なんてことない普通の日
翼を閉じたまま僕は残され人になっていた…
積み重ねられた景色…見慣れた景色が、何度も君を立ち止まらせたよ
そう、願っていた…
けれど、もうすぐ物語は始まりと終わりの記憶だけを僕に残そうとするだろう…
その間のことは風に運ばれて…
ただ、ぼんやりと…
だって僕は残され人になるしかない…
こんな情けなしは残され人でいるしかない…
ごめん、もう行かなくちゃと…
さようなら、旅立っていった人
もう泣かないと決めた日
目の前に、あきらめるにはあまりにも大きな空がある
君は上から気持ち良さげに眺める人
僕は下から羨ましげに眺める人
きっと、なんてことはないという空
最後に君を飛ばせた勇気の空
怖いのは、最初だけ…
そう、最初だけ…
これから行く空は、曲がりくねった空
さっと手をふり、勢いあまってしまい
それも君の生き方だからふさわしい
今日も空は何も言わない
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