今日も人はすれ違いつづける
いともたやすく…
毎日、毎日誰かとすれ違い、その誰かと口を利くこともなく、その誰かと出会うこともなく…
慣れてしまっているから
きっとそうさ…慣れているから何とも思わなくなっているだけ…
夕方の帰り道
くたびれたシャツは
何かを思い出したように、一瞬歩く足を止めた
舗道にのびた影は少し痩せて
誰かのやってくる後ろの人影と重なった
少し期待した…
少し少し影がズレていく…
追い越していってしまった…
それはきっと誰かが待つもとへと帰るために…
なぜだか夕陽がとてもきれい
ひとりで見る夕陽がとてもきれい
あの色は君の好きだった色
もう誰かのもとへ帰ることもない僕を誘って…
この世に無数にある分かり合えないこと
分かろうとして分からなかったこと
分かってほしかったけど、分かってくれなかったこと
ただ、それはもう過ぎたこと…
気づいてあげられなくて、ごめんね…
日々の忙しさの中に、人混みの中に、遠ざかっていく君に似た誰かの蜃気楼…
今日も僕たちはすれ違いつづける
いともたやすく…
毎日、毎日誰かとすれ違い、その誰かを知ろうともせず、その誰かと出会うこともなく…けれど、いつかまた、もう一度、君に出会えたならと…
少しだけそんな奇跡を信じられる今日があった…
どんなかたちでも
どんなつながりでも
いつかまた、もう一度、君に出会えたならと…
少しだけそんな奇跡を信じたい今日があった…
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